JLPT Vocabulary and Grammar Reading Comprehension Test 言語知識-読解 N1 7-2012

The JLPT N1 exam section for Vocabulary - Grammar - Reading Comprehension (言語知識 - 読解) from the July 2012 test is designed to assess the ability to use Japanese accurately and effectively at an advanced level. This section includes three main components: Vocabulary (語彙), Grammar (文法), and Reading Comprehension (読解).

問題1: ___の⾔葉の読み⽅として最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
1

珍しいイベントがあると聞いて、広場に群衆が押し寄せた

Q
1
2

これまでの学説を覆すような新事実が発⾒された。

Q
1
3

この⽂書には、当時の⽣活の様⼦が克明に記録されている。

Q
1
4

窓を開けると、⼼地よい⾵が⼊ってきた。

Q
1
5

新社⻑は、これまでの経営⽅針を蹅鹽すると述べた。

Q
1
6

新しい政権には、医療掣摩の改⾰が期待されている。

Q

問題2: (   )に⼊れるのに最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
7

この本は内容が難しすぎて、初⼼者には(   )が⾼いと思う。

Q
1
8

プランの(   )はすでに固まっています。

Q
1
9

本書の改訂(   )は、9⽉上旬に発売の予定です。

Q
1
10

システムトラブルの原因を徹底的に(   )し、再発防⽌に取り組みたい。

Q
1
11
カタカナの「ソ」と「リ」は(   )ので、名前を書くときは気をつけてください。
Q
1
12

この業者は⿂を⽸詰に(   )し、それを海外に輸出している。

Q
1
13

市役所のロビーで、アマチュア写真家による写真展が(   )います。

Q

問題3: ___の⾔葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
14

⼭⽥先⽣に触発されて、画家の道を志しました。

Q
1
15

試合後のューで、選⼿たちはすがすがしい表情で質問に答えていた。

Q
1
16

その部屋にある家具は、どれも簡素なデザインのものだった。

Q
1
17

彼の誕⽣⽇パーティーの準備を、友⼈数⼈とひそかに進めている。

Q
1
18

⾼橋選⼿はの今年の⼤会への参加を断念したらしい。

Q
1
19

努⼒をすればおのずと結果に表れてくる。

Q

問題4: 次の⾔葉の使い⽅として最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
2
20

免除

Q
2
21

ブランク

Q
2
22

怠る

Q
2
23

⾒込み

Q
2
24

満たない

Q
2
25

有数

Q

問題5: 次の⽂の(   )に⼊れるのに最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
26

40代(   )後半となり、わたしもとうとう中⾼年の仲間⼊りだ。

Q
1
27

昔から「毒も(   )薬になる⼩と⾔われている。

Q
1
28

映画 『ブラック』は評判通りの⾯⽩さで、特に、主⼈公が(   )ざる敵におびえる場⾯は圧巻だった。

Q
1
29

⼭⽥さんがこの絵をいくらで⼿に⼊れたのかはわからないが、有名画家の作品であることから考えても、安くない値段で買 ったことは(   )間違いない。

Q
1
30

お客様、ご希望のホテルが満室でしたので、他のホテルにご变更(   )のですが......。よろしいでしょうか。

Q
1
31

この祭りは⻑い伝統があるので、みんなさんにはぜひこれからも(   )。

Q
1
32

商品ご使⽤後の返品対応は(   )ので、ご了承ください。

Q
1
33

他⼈の⼝座か5不正に現⾦を(   )、35歳の男が逮捕された。

Q
1
34

(本屋で) 

A「あ、この本⾯⽩いよ。」 

B「どんな話?」 

A「主⼈公と恋⼈が、親に無理やり(   )話なんだけど、すごくどきどきするんだ。」

Q
1
35

川村「⽯⽥さん、ギターがほしいって⾔っていましたよね。わたしの弟が使っていたギターがあるんですが、よければど うですか。」 

⽯⽥「いいんですか。」 

川村「はい。弟に聞いたら。弾いてくれる⽅がいるなら、ぜひと⾔っていましたので、どうぞもらって(   )。」

Q

問題6: 次の⽂の ★ に⼊る最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
36

               良⼼は残っているはずだ。

Q
1
37

インターネットの功罪といった議論があるが、インターネットはただの⼿段だ。その価値は               ものだと思う。

Q
1
38

たばこの値段が                ことだ。

Q
1
39

A「⾒て⾒て、ルストラン 『夢』の無料券もらっちゃった。」 

B「いいなあ。ちょっと⾒せて。なんだ、デザートー              じゃないか。」

Q
1
40

1⽇午後4時ごろ、システムトラブルの影響により、⼀時メールサービスに障害が発⽣しました。お客様に                お願い申し上 げます。

Q

問題7: 次の⽂章を読んで、⽂章全体の内容を考えて、(1)から(5 )の中に⼊る最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

わが国では一般に、日本人が外国語を話せないのは、教育の技術が悪いからだと信じられている。はたして[41]。確かに教育にも問題があろう。しかし、たとえばつぎの四点を実行[42]、どんなに「会話」がうまくても、国際的な場所では傾聴(注)されないだろう。

(1)自分の考えを論理的に表現する[43]

(2)遠慮せず議論に割りこむ[43]

(3)他の人とひと味違った発言をする[43]

(4)五分に一度は聴衆を笑わす[43]

この四点は考えようによっては、外国語を話すよりも難しい[44]わが国では、語るには情をもってし、つねに控え目で、皆と同じことを行い、まじめでふざけないことが評価され、美徳とされているからだ。

こう考えてみると、日本人の外国語下手は、教育技術の問題というよりは、もっと深い文化の問題[45]と思うのである。

(小林善彦「なぜ下手か日本人の外国語」1992年8月21日付朝日新聞タ刊による)

(注)傾聴・真剣に聞くこど。

i
2
41

[41]

Q
2
42

[42]

Q
2
43

[43]

Q
2
44

[44]

Q
2
45

[45]

Q

問題8: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
2
46

大人になっても、味覚は変わり続ける。二十代の血気盛んな頃、すき焼き鍋などを囲むと、肉ばかり食べている私を見て、「私たちはもう沢山。年をとると、キノコや野菜が一番おいしい」などと半ば私を、半ば自分自身を諭すかのように言う年長者がいた。なるほど、私も、最近では肉の味のしみた野菜やキノコがおいしい。一方で、肉も相変わらず食べる。年長者だって、肉を食べなくなるわけではない。

(茂木健一郎 『食のクオリア』による)

⾷べることに関して筆者はどのように感じているか。
Q
2
47

相手を思いやる気持ち、これも、「あいさつ」の心にちがいありません。先年、アフリカへ行ったとき、タンザニアで聞いたことですが、現也の人たちが道で知人とあいさつを交わすとき、おたがいに家族の安否をたずねますが、たとえ自分の家族に病人がいても、それを口に出さないのが暗黙のルールになっているのだそうです。相手の気持ちに負担をかけまいとする心からです。

(川崎洋 『ことばの力』による)

暗黙のルールになうにいるのはどんなことか。
Q
2
48

毎年、花の種を蒔いたり、球根を植えたりする季節が近づくと、種苗を扱う農園から、色刷りのカタログが送られてくる。私には植物を実際に取り寄せて植える土地などはないから、それを眺めて空想庭園を楽しむのである。しかし、それらの誇らしげに咲いている花の見合い写真を次々に見ていくと、連中(注1)が一様にある傾向を有していることに嫌でも気がつく。つまり、すべての花を「品種改良」によって、より大輪(注2)にし、そして何でもかでも八重咲に造りかえてしまおうという、人間の趣味と努力と一種の意地がそこに反映しているのである。

(奥本大三郎 『虫の宇宙誌』による)

(注1)連中:ここでは、花のこと

(注2)大輪:花の大きさが普通よりも大きいこと

(注3)八重咲:花びらが数多く重なっていること

そこは何を指しているか。
Q
2
49

生きものは危機と遭遇しそれを乗り切ることで進化してきました。人間社会も同じです。環境変化による影響を受けにくけるため、私たちの祖先は集団生活を始め、都市を築き文明を育ててきました。協調が社会の基本にありよす。文明の初期段階では、生き延びるため、皆が協調します。しかし、生存が既定のものと思うようになると、自分さえよければいいという自己利益の最大化に走ります。結果は滅亡です。

(日本経済新聞二〇一〇年三月八日付朝刊による)

⼈間について、この⽂章からわかることは何か。
Q

問題9: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

定年に備えた企業の研修資料に<「自分」―「仕事」=?>とあるのを見て、会社一筋に働いてきた人には厳しい設問だなあ、と思ったことがある。

事実、会社人間だった大阪の友人はこの設問に「ゼロや」と苦笑して、定年後の近況を話す。

「女房が出掛けようとすると、(注)ワシも行くと言うもんやから、すっかり嫌がられてるよ」

こういう定年亭主を「恐怖のワシも族」と言うのだそうだが、今やさぞかし①「ワシも族」がはびこっていることだろうと思いきや、ニッセイ基礎研究所の「定年前・定年後」という本にこんな調査結果が収められていた。

数字は省くが、仕事に生きがいを持っていた人のほうが、そうでない人より定年後の社会活動にもずっと生きがいを感じているという内容で、要するに、会社人間ほど定年後も意欲的という分析だ。

彼らの社会活動の生きがいは、交友関係の広がりによって生まれているようで、植木職人になったり、NPOやボランティア、地域活動に携わっている元銀行員をはじめ、多種多様なケースがいろいろ紹介されている。

以前、あれは有力銀行の支店長であったか、定年退職した途端、年賀状も激減するなど一変した状況に喪失感を覚え、自ら命を絶ったという話を聞いたことがある。

これなどは極端なケースだとしても、<「会社」のために頑張る価値観は、「社会」のために頑張る価値観と合致するかもしれない>と分析される先の調査結果などは、会社人間の「その後」に②新しい視点をもたらすものだろう。

(近藤勝重「しあわせのトンボ:会社人間の『その後』」 2007年11月14日付毎日新聞夕刊による)

(注)ワシ:わたし

i
2
50

筆者の友⼈が、<「⾃分」―「仕事」=?>という設問に「ゼロや」と答えたそうだが、それはどのような意味か。

Q
2
51

①「ワシも族」とは、どのような人たちのことか。

Q
2
52

新しい視点をもたらすとは、どのようなことか。

Q

技術者にとってレース車を開発するというのは、非常に魅力があるようなのだ。

それはそうだろう。市販車の開発であれば、コストのことや工場のことを考えなければいけないので、自分の考え出した創意工夫を必ずしも反映できるわけではない。いいモデルを出したからといって、営業の力が弱ければ売れるとは限らない(少なくとも、多くの開発技術者はそう思って(注1)は歯ぎし軋りをしているに違いない)。しかし、レース車であれば、ある程度、採算無視で色んなことにトライできる。何よりも、営業力とか他の要素に邪魔されることなく、①どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるわけだ。

逆にいうと、言い訳のない世界でもある。敵よりコンマ1秒でも遅れをとれば負けるのだ。そして、それは、はっきりとその場で目に見える。(中略)

目標設定も単純だ。市販車開発なら、時にはアメリカとおう欧しゅう州の両市場で売れる車を作ってくれと営業から要求されたりする。そこでは技術的に妥協せざるを得ないが、レースは絶対的な速さだけを目指せばいいのだ。その代わり、自分の実力が今どうであれ、敵の車が75秒で(注2)サーキットを1周していれば、それより速いタイムで走る車をつくらないと意味がないのだ。②出来る、出来ないを論じる余地は全くない。また、お分かりのように、他チームの車のまね真似だけをしていれば、決して「最速」にはならないのも真実なのだ。

(田中詔一『ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA』による)

(注1)は歯ぎし軋りをする:ここでは、悔しく思う

(注2)サーキット:レース用のコース

i
2
53

どんな大メーカーを相手にも対等に優劣を争うことができるとあるが、なぜか。

Q
2
54

出来る、出来ないとあるが、何が出来る、出来ないのか。

Q
2
55

この⽂章によると、レース⾞の開発は、技術者にとってなぜ魅⼒的なのか。

Q

わが国の文章の書き手として、想像・想像するという言葉をもっともよく使ったのは、おそらく柳田国男であろう。民衆に伝えられる生活の慣習、用具などに残る手がかりをつうじて、なつかしい(注1)こ古そう層へとたどるみんぞく民俗学の、わが国での開拓者として、柳田にはこの言葉がきわめてたいせつなものであった。

柳田は、それと空想・空想するという言葉とを区別しようとした。その文章の執筆の時期や、あつかう対象、また語りかける相手のちがいにつれて、柳田の行なった空想・空想すると、想像・想像するの区別には、いかにもはっきりしている際と、そうでない場合がある。しかし後の場合も、空想・空想することをしだいに正確にしてゆけば、想像・想像するにいたるという、段階的なつながりにおいて――(注2)あい接し、境界がぼやけていることはあるにしても、その上辺と下辺では、ちがいがはっきりしている、という仕方で――使われている。

具体的な根拠のない、あるいはあってもあいまいなものにたって行なうこ古そう層への心の動きを、空想・空想するとし、よりはっきりした根拠にたつ、しっかりした心の働きを、想像・想像するとして、柳田は使いわけているのである。そこで時には、やや、、とか、あきらかに、、、、、とかいう限定辞をかぶせねばならぬのではあるが、空想・空想するには、人間の心の働きとして、マイナス・消極的評価のしるし、、、がついており、想像・想像するは、プラス・積極的評価のしるし、、、がついている。

(大江健三郎『新しい文学のために』による)

(注1)こ古そう層:ここでは、古い時代

(注2)あい接し:互いに接し


i
2
56

柳⽥が使う「空想・空想する」と「想像・想像する」にはどのような関係があると筆者は考えているか。

Q
2
57

柳⽥が「空想・空想する」という⾔葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。

Q
2
58

柳⽥が「想像・想像する」という⾔葉を使うのはどのようなときだと筆者は考えているか。

Q

問題10: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

理系の文章は明確な目的を持っている場合が多いので、その目的に応じて読者は文章を読む。このため、目的に合致した文章は満足感を読者に与える。たとえば、「東京都の交通渋滞に関する調査報告書」はそれを知りたい人が読み、その内容が過不足なく記述されていれば100点の評価となる。調査内容が不十分であれば評価は下がり、満足感は少なくなる。

しかし、もし著者と読者のあいだで、その文章を媒体として記述されていること以上の事柄が発見できれば、読者にとって最高の満足感となる。言い換えると、読者が新しい知識を発見する喜びを支援する、あるいはそのきっかけとなる文章こそが、100点以上の評価となる。それは著者と読者の①シナジー効果(二つのものから、それらの合計以上のものが生み出される効果)であり、それをもたらすには、著者は常に読者を意識し、読者とともに問題の解決にあたるという姿勢を持つことで文章に磨きがかかる。

いくら仕事や理系の文章だからといって「AはBだ、覚えておけ」という姿勢の文章では読者の満足感は少ない。むしろ、読者は自分の無知を知り、自己嫌悪に陥り、一方、著者への親近感はなくなり、読む気がしなくなる。文章の目的を達成するために大事なことは、読者が最後まで読んでくれることである。いくら素晴らしい内容が書かれていても、読者が読む気のしない文章は目的を果たすことができない。

学生のレポートで、②それが一番よくわかる。なにしろ提出数が多いので、すべてを完全に理解しようとして読むことは不可能である。結局、最初の数行を読んで、あるいは全体を見渡して、読む気が起こるかどうかが評価に大いに影響する。これは、上司に提出する企画書や、(注1)コンペに応募する提案書などでもまったく同じである。

その意味で、人の読む気を誘う文章であるかどうかは重要である。では、読む気とは何か。それこそがシナジー効果である。

(中略)

読者が自力で新しいことを発見することの支援はなかなか難しい。むしろ、自分の思考過程を深く分析し、読者と一緒に考えようという姿勢を持つことが最も重要である。読者に与える完全な解答はなくても、解答に向かうひたむきな姿勢を示すことができれば良いのだということである。言い換えれば、ごまかしがなく、技巧を(注2)

弄もてあそばず、大げさにいえば著者の人生観を示すことで、真実に迫ろうという書き手の気持ちが読者に通じるのである。仕事の文章や理系の文章は、一般にはこういう行間の意味は不要と考えられているが、それではの教科書文章となり、人の心に届かない。いくら人の③脳に届いても、心に届かないものは読む気がしなくなり、結局、読者の脳にも届かなくなる。

(三木光範『理系発想の文章術』による)

(注1)コンペ:ここでは、仕事の依頼先を選ぶために企画を競争させるもの

(注2)弄もてあそぶ:ここでは、必要でないのにむやみに使う

(注3)無む味み乾かん燥そうの:味わいがなくてつまらない

i
3
59

シナジー効果とあるが、読者にとってのシナジー効果とはどのようなものか。

Q
3
60

それが一番よくわかるとあるが、何が一番よくわかるのか。

Q
3
61

脳に届いても、心に届かないとはどういうことか。

Q
3
62

理系の⽂章の書き⼿はどのような姿勢を持つべきだと筆者は述べているか。

Q
問題11: 次の⽂章は、AとBの意⾒である。⼆つの⽂章を読んで、後の問に対する答えとして、最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。
i

生態系(注1)保ほ全ぜんでは、そこに(注2)生息する生物のことを考慮するが、生態系を構成するすべての生物を等しく扱うことはできない。なぜなら、一部の生物を守ろうとすると、必ず不利益を被る生物が生じるからである。すなわち、われわれ人間が何をしても、それによって利益を得る生物と不利益を受けるものが生じることになる。そうなると、生態系を保ほ全ぜんする目的で、何らかの活動をするということは、一部の生物種に利益を与えるということになる。

(中略)

唯一われわれが言えることは、われわれが人類であるから、「地球生態系は人類が健全に生きていくためにある」ということである。すなわち、「生態系は人類のため」なのである。言い換えれば、人類に利益を与えてくれる生態系を保ほ全ぜんすべきなのである。

(花里孝幸『自然はそんなにヤワじやない―誤解だらけの生態系』による)

 

(注3)保ほ全ぜん生物学の核となる概念である生物多様性は種の存続によって維持される。したがって、保ほ全ぜん生物学では、希少種や減少過程にある個体群の保ほ全ぜんに関する知識と方法が一つの重要な課題である。(中略)

しかし、個別の種をそれぞれ保護することは非常に困難である。一つの生態系をとっても、微生物から植物、昆虫、哺ほ乳にゅう動物など多くの種が生存しているが、それらの全すべての生態を把握して保護することは不可能に近い。さらに、未分類の種や種レベル以下の遺伝的多様性は、個別の種を保護する方法では逆に保護されなくなってしまう恐れがある。そこで、多様な生物の相互関係を含む自然をそのまま保ほ全ぜんすることが重要になってくる。つまり、生態系を保ほ全ぜんすることで、そこに含まれる全すべての生物を保護するという考え方である。

(高柳敦『琵琶湖研究所所報』1996年第15号による)

 

(注1)ほ保ぜん全:ここでは、守ること

(注2)生息する:生きる

(注3)ほ保ぜん全生物学:生態学の研究分野のひとつ

i
2
63

⽣態系を構成する⽣物の保護について、AとBの⽂章で共通して述べられていることは何か。

Q
2
64

保護すべき対象についてAとBはどのように考えているか。

Q

問題12: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

うちの犬は頭がよくないけれどむやみにほ吠えない。これは犬種の性格である。もうひとつ、絶対にか嚙みつかない。これは訓練士に仕込まれた成果である。大きな犬なので幼児にか嚙みついたら事件になってしまう。

訓練士は二十代の女性でスクーターに乗ってやってきた。訓練時間は週に4回、各30分である。半年近く経っても訓練が終わらないので、いつになったら卒業できるんですか、とたず訊ねた。家庭内での序列がはっきりしたら、と説明する。序列ねえ、どういうことかな、とさらに質問すると、①お宅の坊ちゃんがまだ……。

十年前なので息子は小学生である。体格的にも犬と息子に差がない。うちの犬はまず僕、つぎに妻と気の強い娘に(注1)降参したのだ。だが息子は軟体動物のようにふにゃらふにゃらとしている。寝てばかりいる。起きてもあくびばかりしている。両者は最下位争いを演じたまま(注2)四つに組んで決着がつかないらしい。

動物は序列に敏感なのだ。(中略)

女性の訓練士が説明した。犬をかわいがっているつもりで甘やかし、②腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいた。甘やかせばつけ上がるだけ、自分が主人と信じ込んで飼い主をなめた結果である。動物はつねに威嚇しながら序列を確認しているから、仲間同士は本気でけん喧か嘩をしない。相手が強い、とわかれば争わない。けん喧か嘩したら互いに傷つき、厳しい自然界では生き残れないから。

さすがに血のめぐりの悪いわが家の犬も、ある日、息子にゴツンと頭をたた叩かれ、最下位が確定、平和的にす棲み分けが決まり、予算オーバーの訓練は終了した。

動物から教訓を得たわけではないが、家庭内でもタテマエとしての序列がないと混乱がはじまる。おや親じ父の権威の喪失が取り返しのつかないところまできたのは(注3)家父長制を否定しすぎた結果でもある。戦前は長子相続で、次男以下は相続権がなく女性にいたってはその他大勢の扱い、ひどいものだった。そういう状態を復活せよ、と述べているのではない。

職場で女性がもっと管理職に進出できる環境は整えたほうがよいし、僕の経験からして共働きには賛成である。家事も分担したほうがよい。③だが男女平等をはきちがえてはいけない。家庭は動物の巣に似た面がある。権威としての父性、(注4)包容力の母性まで削り取ってはいけない。父親は筋肉質でひげ髯をはやし、母親には柔らかな肌とやさしい笑顔があるように、それらしく演じ分けたほうがよい。頻発する家庭内暴力が役割構造の喪失と無縁ではないからである。

(猪瀬直樹「家」1999年9月26日付朝日新聞朝刊による)

(注1)降参する:負ける

(注2)四つに組む:しっかり向き合って闘うこと

(注3)家父長制:男性の年長者が家族を支配するという制度

(注4)包容力:相手を寛大な気持ちで受け止める力

i
3
65

お宅の坊ちゃんがまだ……とあるが、「まだ」の後に続く言葉はどれか。

Q
3
66

腕をがぶりとか嚙みつかれた飼い主がいたとあるが、この犬はどうしてか嚙みついたか。

Q
3
67

男女平等をはきちがえてはいけないと言っているが、筆者は「はきちがえる」とどうなると考えているか。

Q
3
68

この⽂章で筆者が最も⾔いたいことは何か。

Q

問題13: 下のページを⾒て、下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から1つ選びなさい。

i

✿✿東京都カルチャー会館 4月開講の講座✿✿

①やさしい英語    4月8日開講

簡単な単語で伝えられるようになるための「聞く・話す」を中心とした講座。中学校レベルの英語で充分。講師はボランティアの日本人通訳者。事前に見学をすることができます。

・毎週火曜 18:30~20:00               

・12回       16,000円(教材費別)

・講師      青木一郎(東京友だちつくろう会代表)

②外国人としっかり学ぶ英語    4月10日開講

日本人講師では物足りない。でも、いきなり英語だけの会話についていく自信はない。そんな人にぴったりの日本語が話せる外国人講師によるコース。毎回講師と新聞記事を読みながら英語力を身につける。事前に見学をすることができます。

・毎週木曜 18:30~20:00               15回       18,000円(教材費別)

・講師 フレンド外国語学校講師

③初めての英語    4月12日開講

決まり文句をまずレクチャー。あいさつや買い物などでよく使う表現を紹介。聞くことから入り、日常会話を勉強しながらやさしい文法も学ぶので身につきやすい。英語での実務経験の長い日本人講師が丁寧に教える。事前に見学をすることができます。

・毎週土曜 12:00~13:30               10回       14,000円(教材費別)

・講師 石川健二

④ステップアップの英語    4月13日開講

相手に細かなニュアンスまで伝えられる英語力を身につけたいと思っている方におすすめ。中級以上の文法を習得した方対象。イギリス人講師とさらに複雑なテーマで会話をします。雑誌や新聞などの読解もあり。必ず事前に見学をして、ご自分のレベルに合っているかどうかを確認してからお申し込みください。

・毎週日曜 10:00~12:00               12回       20,000円(教材費別)

・講師 キヤサリン・スミス ◎受講の申し込み

受講の予約、申し込みはお電話で。お電話での申し込み後、受講される講座の案内と振り込み用紙をお送りします。所定日までにお近くの銀行から受講料を振り込んでください。会館の窓口では、申し込みおよび現金の取り扱いはいたしません。

館内には4月からの講座の総合パンフレットを用意しています。気軽にお立ち寄りください。

申し込み/問い合わせ先:03-444-7890(平日9:00~17:00)

i
2
69

会社員の⼭⽥さんは英語で書かれた新聞を読めるようになりたいと思っている。週末は出張が多いので平⽇しか通えない。 ⼭⽥さんに合う講座はどれか。

Q
2
70

④の講座を受講するためにはどのような⼿続きが必要か。

Q
01:50:00