日本語能力試験 N1 語彙・文法・読解 2013年12月

2013年12月のJLPT N1試験の語彙 - 文法 - 読解(言語知識 - 読解)部分は、高度なレベルで言語を使用する能力を評価するために設計されています。試験を完了した後、受験者は自分の回答の誤りに関する解答と詳細な説明を参照し、語彙、文法、読解のスキルを向上させることができます。

問題1: ___の⾔葉の読み⽅として最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
1

関係者から話を聞いて、ようやく現状が把握できた。

Q
1
2

社長の発言に憤りを感じる。

Q
1
3

その話の趣旨がよく分からなかった。

Q
1
4

兄は大学で日夜研究に励んでいる。

Q
1
5

川田さんは最後まで自分の主張を貫いた

Q
1
6

この30年で、この国の貧富の差は縮まってきている。

Q
問題2: (   )に⼊れるのに最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。
i
1
7

問題の再発防⽌のために、何度も会議を開いて対策を(   )。

Q
1
8

私はスポーツなら何でも好きだが、(   )サッカーが⼤好きだ。

Q
1
9

職場の環境に満⾜していたので、その当時は転職など全く(   )になかった。

Q
1
10

妹は今⽇が初めてのデートらしく、朝から(   )して落ち着かない様⼦だ。

Q
1
11

社⻑は、会社の将来を(   )⼈材の育成に⼒を⼊れている。

Q
1
12

パーティーでは林さんが料理を作って、みんなにその(   )を披露してくれた。

Q
1
13

⾃分の考えに⾃信がなくて発⾔するのを(   )いるうちに、議論が先に進んでしまった。

Q

問題3: ___の⾔葉に意味が最も近いものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
14

彼の予測はことごとく外れた。

Q
1
15

やっと雑踏を抜けた。

Q
1
16

台風発生のメカニズムについて説明した。

Q
1
17

この記述内容が正しいと言えるだけの裏づけがあるのだろうか。

Q
1
18

もう彼に本当のことを伝えるすべがない。

Q
1
19

せかしてしまってすみません。

Q

問題4: 次の⾔葉の使い⽅として最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
2
20

処置

Q
2
21

拍⼦

Q
2
22

⼝出し

Q
2
23

煩雑

Q
2
24

当てはめる

Q
2
25

打開

Q

問題5: 次の⽂の(   )に⼊れるのに最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
26

夏休みに⽔族館にいったら、時期(   )時期だけに親⼦連れで混雑していた。

Q
1
27

北川市では、良好な景観形成な計画的(   )具体的に進めるために、「北川市景観形成基本⽅針」を定めています。

Q
1
28

3000mを超える冬⼭に、⼗分な装備もなく単独で登るのは、(   )極まりない⾏為だ。

Q
1
29

景気は徐々に回復してきていると⾔われるが、私には⼀時的な現象のように(   )。

Q
1
30

新幹線の新型⾞両が初めて⼀般に公開される(   )、鉄道ファンの私としては、

Q
1
31

⾃分ではそんなに短気ではないと思っているが、友達に(   )、私はけっこう怒りっぽいらしい。

Q
1
32

昨⽇⾏ったそば屋は、たくさん⼈が並んでいたので(   )、意外にもすぐに席に案内された。

Q
1
33

企画⽴案というのは苦しい作業だが、⾃分の案が採⽤されたときのうれしさ(   )。

Q
1
34

店員「アルバイトの⼤⽥さんのことなんですが、仕事中におしゃべりが多くて困っているんです。店⻑から⼀⾔(   )。 

店⻑「わかった。後で注意しておくよ。」

Q
1
35

友⼈からコンサートのチケットをもらったが、仕事で忙しく、⾏けそうにないので、(   )と悩んでいる。


Q

問題6: 次の⽂の ★ に⼊る最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
1
36

昨今、森林を単に⽊材の供給源                と捉えることの重要性が広く認識されてきている。

Q
1
37

⻄川⾼校の森キャプテンは、次の対戦相⼿が優勝候補の北第⼀⾼校に決定したことについて、「たとえ                やるだけです。」と 語った。

Q
1
38

この店のハンバーカーは、値段は多尐⾼めだが、⼿間が                おいしさだ。

Q
1
39

⽥中「明⽇の⾷事会、森さんも来るんだよね。私、会うの5年ぶりだよ。」 ⽊村「私は仕事で                なるかな。」

Q
1
40

この本を買ってときは、話題の本だから読んでみようか               しかなかったが、読み始めから夢中になり、⼀晩で⼀気に読んでし まった。

Q

問題7: 次の⽂章を読んで、⽂章全体の内容を考えて、(1)から(5 )の中に⼊る最もよいものを、1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

以下は、「人生相談万事OK!」という本に書かれている質問と、それに対する回答である。

Q70 犬が嫌いです

夫の実家は大の犬好きで家の中で放し飼いにしています。しかし私は大の犬嫌い。昔、母が「近付くとかまれる」と言っていたこともあります。犬は見抜いているのでしょう。ほかの人にはキュイーンと甘えるのに私だけには吠えまくります。私はこの家の者として失格でしょうか。たかが犬、されど犬。かなりのストレスです。(いまいち、28歳)

A70 犬クッキーで手なずける

パブロフの犬という有名な実験がありました。ベルを鳴らして餌、ベルを鳴らして餌繰り返したら、しまいに犬が、ベルの音を聞いただけで、餌を与えなくてもよだれ(注)を出すようになったというのです。あれを忚用します。

ペットショップへ走り、美味しそうな犬用のクッキーを[41]。それを夫の生家に行く時は必ず持参し、ポケットに入れておきます。

[42]あなたが取るべき態度は、吠えられても、動じないってことです。手を引っ込めたり、叫び声を上げたり、逃げ腰になったりしちゃいけません。犬に足元を見られます。と言って、犬の目をまっすぐ見てはいけません。犬は威嚇されてると思い込むものです。この辺、人間の常識は通じませんから。目を合わせない、それが[43]礼儀作法です。

さて、よく吠えられても動じず、目をそらしつつ、手のひらに犬クッキーを載せて差し出します。犬の歯が当たらないので、指でつまんでやるより怖くないです。あなたは今後、その犬にあったら、必ず、犬クッキーをやることです。それを繰り返すうちに、犬は、あなた、イコール、クッキーってのを学習し、やがて、[44]でしょう。

以上は、よく吠えるうちの犬に対して、犬嫌いの友人が試みたことです。未だに友人の顔を見ると吠えますが、それはクッキー欲しさの吠え声で、もらえばたちまちおとなしくなります。友人もそれがわかってるので、怯えなくなりました。クッキーをやったら、後は無視します。無理はしません。犬好きがいるように、犬嫌いが[45]

(伊藤比呂美「人生相談万事OK!」による)

 (注)よだれ:つば。口から流れ出る液体

i
2
41

[41]

Q
2
42

[42]

Q
2
43

[43]

Q
2
44

[44]

Q
2
45

[45]

Q

問題8: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i
2
46

何かを学ぶということは、もちろん、問題に答える知識や技術を身につけるという意味もあるけれど、それは実は学ぶことの本質ではない。ぼくらは本や学校で、これまでひとが見出してきたさまざまな秩序、筊道を学ぶ。だけどそうやってさまざまな「型」を学ぶことによって、いままで見えていなかった、あるいはぼんやりとしか見えていなかった「型やぶり」なものが見えてくるようになる。つまり、学べば学ぶほど、見えてくる問題は増えるというわけだ。

(野矢茂樹『はじめて考えるときのようにー「わかる」ための哲学的道案内』による)

筆者は、学ぶことの本質とはどのようなことだと考えているか。
Q
2
47

以下は、ある旅館に届いたメールである。

横西旅館

ご担当者様

11月30日に、貴旅館のホームページから宿泊の予約をした者です。

予約ページによりますと、宿泊の可否についてはメールでご連絡いただけるとのことですが、いまだメールをいただいておりません。

出発の日時が迫っておりますので、早急にご確認いただけますでしょうか。

予約番号は131130172で、予約した内容は以下の通りです。

宿泊希望日: 2013年12月21~23日(2泊)

人数: 3名(大人2名、子ども1名)

部屋数:1室(禁煙ルーム)

なお、予約時には夕食の時間は19時にお願いしていましたが、18時に変更してください。  

 

よろしくお願いいたします。

上田真由美

このメールが最も伝えたいことは何か。
Q
2
48


筆者によると、医療関係者に求められていることは何か。

Q
2
49

日記とは限りなく私的な記録であり、読者が存在しないどころか、他人には読まれたくない秘密の表現であるともいえる。

ただ一人だけ、奇妙な読者が存在する。いつでも自由に日記を読むことの出来る、日記の筆者である。その読者は筆者とは異なる場に立って、様々な配慮を働かす。万が一日記が盗み読まれたり(注)、死後に他人の目に曝されるような事態が発生した場合、こんなことが書かれているのはまずいのではあるまいか、等々と。しかし、これは限りなく私的な記録である筈の日記にとっては矛盾である

(黒井千次『図書』2007年2月号による)

(注)盗み読む:他の人の日記や手紙などをこっそり読む

⽭盾であるとあるが、何が⽭盾か。
Q

問題9: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

十年絵を描いてきて、最近になってようやく筆の止めどころがわかってきたかな、と思います。描きすぎずに筆を置くコツが尐しずつわかってきた。

最初のうちは、筆が多くなるものなんです。描きたいという気持ちが強いだけに、まだ足りない、まだ足りないという気になって、どんどん描き足してしまう。だけど、それを無理してセーブすることはないと思います。やっぱり、①とことん行ききっちゃったほうがいいんですよ、何事も。

たとえば、空腹のときに腹一杯食べて満腹感というものを味わっておかないと、加減というものがわかりません。人間、満腹を知っているから、これはまだ五分(注1)、腹八分といったらこの程度だという加減がわかる。一回とことんやってみることで、抑えることや、行きすぎないことの良さが初めてわかるものですからね。

(中略)

自分が描きたいモチーフそのものと対峙(注2)して、自分の感じたところで筆を進めている分にはいいんですが、客観的にそれを見て、ここが足りない、あそこが足りないと思って描き足してしまうと、止めどころがわからなくなってしまいます。それは、自分がどう見てどう感じたかという気持ちを素直に絵にするということとは違ってくる。②絵を説明してしまうことになる。そうすると、絵がうるさくなります。

客観的な眼を持つことも確かに大事なことではあるんですが、見たまま感じたままのストレートな気持ちを解説してはいけないと思うんです。

(片岡鶴太郎『鶴太郎流 墨彩画人門』による)

(注1)五分:全体の50パーセント

(注2)対峙する:向き合う

i
2
50

筆者は絵を描き始めたとき、どのように描いていたか。

Q
2
51

とことん行ききっちゃったほうがいいんですよとあるが、なぜか。

Q
2
52

絵を説明してしまうことについて、筆者はどのように考えているか。

Q

大方の予想に反して、科学が飛躍的な成果をもたらす現場では、誰もが実生活のなかで体験する新鮮な驚きや、たわいのない(注1)思いつきの類いがその起点となっている。むしろ、科学の画期的な発明発見ほど、かぎりなく日常的で具体的なものごとがもとになっているのである。(中略)

しかし、日頃の思いつきや驚きと違って、思いついて終わり、驚いただけ、ということにならないところが、ようするに科学の特徴である。思いつきや驚きは、新しい確かな「ものの見方」へのきっかけでしかなく、科学とはそれらをとことん洗練する創意工夫の営みにほかならない。実は創意工夫こそが、歴史上も有数の科学者たちに見られる、かなり一貫した姿勢なのである。

何かに驚いて、それまでは当然だと思っていたことに、尐し違った角度から眼差しをむけてみる。それだけではなく、違った角度から見えてきたことを首尾一貫(注2)させ、碓かなものにすると、求めても無駄な望みだと決めつけていたことが、あっさりと実現できることに気づく。新鮮な驚き、ささいな思いつき、そしてちょっとした理解の修正をきっかけに、常識とは尐し違った「ものの見方」をしたとき、どこか一面化していた常識そのものがより豊かなものにならないか考えてみる。これが科学を本当に発展させた人々に共通した姿勢である。

(瀬戸一夫『科学的思考とは何だろうかーものつくりの視点から』による)

(注1)たわいのない:ここでは、小さな

(注2)首尾一貫させる:始めから終わりまで一貰しているようにする

i
2
53

その起点とあるが、何の起点か。

Q
2
54

筆者は、科学における思いつきや驚きを、どのようなものと考えているか。

Q
2
55

科学を発展させた⼈々に共通している姿勢は何か。

Q

多くの人は、個性の持ち主にあこがれて、できれば見習いたいものだと思いながら、実は一方で「人並み」であることをひそかに求めてもいる。「ひと」からはずれていたり、おくれていたりすることは、彼らを極度に不安にする。「同じ」思いを抱いていたことを発見することは大きな安心を与えるはずであるから、「同じ」思いの通ずる仲間が見つかると、すぐにでも群れようとする。①そういう人間の傾向は、別に日本人にだけそなわったものというわけでもなく、ほとんど本能的なものとして、多かれ尐なかれ誰もが抱えている要素であるといってよい。

にもかかわらず凡庸(注1)さは、表向き、なぜこれほど忌み嫌われる(注2)のか。それは、おそらく、人間というものの大多数が凡庸な生を生きるほかなく、自分の未来もまたその限界のなかにあることをうすうす知っているのだが、そのことをそう決めつけられることは、自分の生を希望のない確定的なイメージに塗り込めてしまうことであり、それは②個としての価値を否定されてしまうことにつながると感じられるからである。

生きる意欲が現にあるのに、おまえの未来はこのとおり当たり前のものでしかないと規定されることは、未来に向かうものとしてある「生の意欲」の本質的条件を根こそぎにしてしまう。自らが有限な存在であることを大筊ではわきまえつつ、しかもその範囲内に未知の部分を必ずいくらかは残しておく。そこに自らが個であることの確証をかろうじて求めようとするのだ。

(小浜逸郎『この国はなぜ寂しいのかー「ものさし」を失った日本人』による)

(注1)凡庸さ:ここでは、人並み、平凡であること

(注2)忌み嫌う:ひどく嫌う

i
2
56

そういう人間の傾向とあるが、どのような傾向か。

Q
2
57

何か②個としての価値を否定されてしまうことにつながるのか。

Q
2
58

筆者の考えに合っているのはどれか。

Q

問題10: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

音楽に限ったことではないが、芸術、文化などの名で呼ばれるものはどうしても、現実の政治経済や社会生活に関わることがらとは切り離されたものと考えられることが多く、またそうであるがゆえに価値をもつものとされてきたと言った方が良いだろう。近年のように財政状況が悪化するなど、現実生活をめぐる状況が深刻になってくると、こういうものはしばしば不要不急な「無駄」として切り捨てられそうになる。他方で、荒れた世の中をしばし(注1)忘れるためのオアシスのような場所としての意義が叫ばれるようになったりもするのだが、いずれにしてもその音楽を研究している立場のわれわれはしばしば、「この世知辛い(注2)世の中で、そんなことをやっていられるというのはうらやましいことです」などと言われ、①何とも複雑な心境になるのである。

だが、コペルニクス的転回を遂げた(注3)と言っても過言ではない近年の文化研究の進展の中で、政治や社会の話と切り離して文化が論じられるなどということが幻想である、というより、そのような幻想自体、すでに一定の政治的社会的イデオロギーの刻印を帯びた(注4)ものにほかならなかったということが明らかにされてきた。今や、音楽研究者の中にも、政治や社会から切り離された純粋な「音楽そのもの」がどこかに宙(注5)に浮いたような形で存在しているなどと素朴に信じているような人は誰もいないだろう。 音楽研究に関わる人々の意識も変わり、研究の内実も大きく変わってきているにもかかわらず、むしろ、音楽研究の世界の外側にいる人の方が、音楽を「純粋」な形で囲い込みたがっているように思われるのは②皮肉なことだ。社会科学の最先端で議論をしている人が、音楽の話になったとたんに、30年前の音楽研究に戻ったかのような古典的なデータや図式でものを考えていることが明らかになるような場面に、これまで何度か出会ってきた。歴史学者などが中心になって編んだ領域横断的な論集などで、音楽の部分だけはひどく浮世離れした(注6)古めかしい論文が掲載されており、音楽研究の最近の成果と大きく乖離してしまっているようなこともしばしばある。ここ十数年で、音楽研究者の目に映る音楽の世界もずいぶんと変わっているのに、われわれの発信が不足しているために、そのおもしろさを十分に伝え切れていない、そんな気がするのである。

(渡辺裕『音楽は社会を映す一考える耳「再論」』による)

(注1)しばし:しばらく

(注2)世(せ)知(ち)辛(がら)い:暮らしにくい

(注3)コペルニクス的転回を遂げる:考え方がこれまでと根本的に変わる

(注4)刻印を帯びる:ここでは、影響を受ける

(注5)宙:空中

(注6)浮世離れした:現実と懸け離れた

i
3
59

何とも複雑な心境になるとあるが、なぜか。

Q
3
60
筆者によると、近年の⾳楽研究者は⾳楽をどのようにとらえているか。
Q
3
61

皮肉なことだとあるが、何か皮肉なのか。

Q
3
62

現在の⾳楽研究者のあり⽅について、筆者はどのように述べているか。

Q

問題11: 次の⽂章は、AとBの意⾒である。⼆つの⽂章を読んで、後の問に対する答えとして、最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選び なさい。

i

A

近年食品問題への関心が高い。その多くは食品の安全性を不安視する声だ。すでに政府は中立の立場で公正に科学的評価を行う機関を設置し、企業も独自の検査や表示を行うなどの対策を始めた結果、以前より安全性は向上していると言える。

しかし残念ながら、まだ消費者の安心感には結びついていない。今後必要なのは、安全なものは安全だと消費者が正しく理解できることではないだろうか。科学的に安全だと判断された食品が、消費者にも安全だと認知されれば消費者の安心につながる。そのためには、提供する側のわかりやすい説明とともに、消費者側もそれを理解するための科学的知識を備える必要があるだろう。

 

B

発生した食品事故に対して適切な対策がとられ、科学的に安全が証明された後も、いつまでもその食品の消費回復が見られないということはよくある。消費者が納得しないのである。 (中略)

安全に関しては、絶対安全ということはあり得ないにしても、コストさえ掛ければ技術的に安全度を上げることが可能である。しかも安全度は多くの場合、科学的に数値として明示できる。しかし安心の場合には、示された客観的な事実に納得するかどうかは、消費者一人一人の主観によっており、これを説得するのは簡単なことではない。安全を安心に繋げる難しさには、フードシステム(注)に対する消費者の信頼の程度が大きく関係する。消費者と生産者あるいは、政府の間に信頼関係が構築されていれば安全証明がほぼ同時に安心へと繋がる。

(時子山ひろみ『安全で良質な食生活を手に入れるーフードシステム入門』による)

(注)フードシステム:食品が生産者から消費者に届くまでの流れ

i
2
63

AとBの認識で共通しているのは何か。

Q
2
64

AとBは、どうしたら消費者が安⼼を得られると述べているか。

Q

問題12: 次の⽂章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを1・2・3・4から⼀つ選びなさい。

i

目を見て話

この秘訣を教えてくれたのは、まだ小さかった頃の娘でした。

外から帰ったら、手を洗いなさい」 「ごちそうさまを言いなさい」

(中略)

どんなに声に威厳を込めたつもりでも、新聞を読みながらだと、まるでだめ。   「お父さんはこう言っているけど、手を洗うっていうのは、別に大事なことじゃないんだな」

きちんと目を見ていないと、子どもはたちまちそう判断してしまいます。よそ見をしながら口やかましく繰り返しても、①「ごちそうさま」を言うようにはならないのです。

目を見て話すことは、わかり合い、メッセージを伝え、コミュニケーションをよくする秘訣。これは子どもに限ったことではありません。仕事でも家庭でも、すべての場において有効です。

大人になると、ぎくしゃくすることは頻繁にあります。

環境も価値観も考え方も違う人たちの集まりである以上、意見が食い違ったり、誤解が生じてトラブルになることは珍しくありません。

「じっくり話し合えば、ちゃんとわかり合える」というのは、僕の見たところ、残念ながら理想論。どちらかが妥協したり、お互いがちょっと意見を曲げたりして合わせているだけで、100パーセントの解決などありえないのが現実です。

あげくの果てに(注)「話しても無駄だし、また同じことの繰り返しか」とうんざりし、コミュニケーションをあきらめてしまう――ほうっておくとこんな事態に陥ることも、珍しくはありません。

それでもコミュニケーションをあきらめたくないと思ったとき、僕はこの秘訣を思い出しました。いくら意見が食い違っても、どんなにトラブルが燃え上がっても、必ず相手の目を見て話をするということを。

考え方がまるで合わず、最後まで言い分は平行線をたどるような議論でも、相手の目を見て話し続ければ、不思議なことに相手に尊敬の念が湧いてきます。 たとえ「この人の言っていることは、間違っている!」と思っていても、相手の目を見て聞いていれば、「その人の人間性」に対しては、別の気持ちを抱くようになります。意見は認められなくても、人としては認められるということです。 言い合っても目と目を見つめ合っていれば、不思議な一体感すら生まれます。結果として解決には到(いた)らなくても、悪い方向には向かわない。これだけは、何度も試した僕の保証つきです。

疲れていたり、へこんでいたりすると、人は目を見て話すことができません。そして下を向いていればいるほど、良くない事態が悪化します。

さあ、洗い物をしながら大事な話をするのはやめましょう。パソコンから顔を上げて、まっすぐ目を見て話しましょう。

理解できない相手でも、受け入れられない相手でも、この秘訣を知っていれば、②何か別の関係が生まれるはずです。

(松浦弥太郎『あたらしいあたりまえ。一暮らしのなかの工夫と発見ノート2』による)

(注)あげくの果てに:結局

i
3
65

子どもは、①「ごちそうさま」を言うようにはならない とあるが、なぜか。

Q
3
66

⼤⼈同⼠の⼈間関係について、筆者はどのように述べているか。

Q
3
67

何か別の関係が生まれるとあるが、どういうことか。

Q
3
68

この⽂章で筆者が⾔いたいことは何か。

Q

問題13: 下のページを⾒て、下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から1つ選びなさい。

i

原口市市民農園 利用者募集案内

市民農園は、小面犢の土地を利用して野菜や花作りを楽しむための貸し農園です。野菜や花作りに興味はあるけれど育てる場所がないといった方々は、市民農園を利用してみませんか。

【対象者】原口市内にお住まいの人または市内にお勳めの人

【利用期間】2014年4月〜2015年3月(最長3年間の継続利用が可能)

【農園の場所。特徴。料金】今回募集する農園は以下の4か所です

 

場所

特徴

料金/年

原口市東山

指導を受けながら、共同で楽しく野菜や花の栽培ができます(载培する野菜や花は、農圜によって決められています)。

            8,000円

原口市西川

10㎡を個人で借りて、自由に野菜や花の就培が楽しめます。必要に応じて栽培指導を受けられます。種、苗などは各自で準備してください。農具は貸し出します。

            5,000円

原口市三田

10㎡を個人で借りて、自由に野菜や花の栽培が楽しめます。種、苗、必要な農具は、各自で準備してください。

            3,000円

厚口市池沢

50㎡を個人で借りて、じっくり野菜や花の栽培が楽しめます。必要に応じて栽培指導を受けられます。種、苗、必要な農具は、各自で準備てください。農業用大型機械の貸し出を行っています。

            5,000円

 

 

123は市街地に近い、比較的利用しやすい場所にあります。④は豊かな自然に囲まれた郊外にあります。3④では栽培指導は行っていません。

【応募方法】柱復はがきに、(1)利用を希望する農園の場所、(2)利用者の名前、住所、電話番号を記入し、市役所市民課市民農園係宛に送ってください。希望看が多い場合はは抽選になります。

【応募緯め切り】2014年3月2日

【問い合わせ先】原口市役所市民課市民園係 電話:001 (389)6930

i
2
69

ムディさんは、市⺠農園を借りたいと考えている。作る野菜は⾃分で決めたいが、農作業の経験がないので作り⽅を教えてほし いと思っている。ムディさんはどの農園を借りたらよいか。

Q
2
70

原⼝市の市⺠農園を借りる際に、留意しなければならないことはどれか。

Q
01:50:00